両眼視機能検査~視覚向上のための正確な屈折検査

 

両眼視とは

人間は左右2つの眼をうまく連携して、広い視野と良質な立体視をすることができます。
これは、左右の眼に別々に映った像が頭の中で溶け合って、2つの像が1つのまとまりとして働くために生じてくる感覚です。

この「両眼を1つのまとまりとして使用することによって得られる視覚」を 両眼視 といいます。

両眼視は、我々が「よく見える快適な生活」をおくるためには必要不可欠なのですが、具体的には
①「両眼で物をはっきり見ること」 と、 ②「両眼で物を1つに見ること」 の2つの視覚機能が、必要な条件になります。

見るものにピントを合わせて「両眼でものをはっきり見て」(調節 ちょうせつ)、それと同時に、両眼の視線を合わせて「両眼で物を1つに見る」(輻輳 ふくそう)わけですが、この調節と輻輳は密接に関係していて、両方の機能がうまく連動して行われることが理想的です。

「両眼で物をはっきり見ること」は、両眼明視 とも言われ、主に眼の調節機能のことを指しますが、近視・遠視・乱視などの屈折異常が、両眼明視を阻害する原因にあげられます。

「両眼で物を1つに見ること」は、両眼単一視 とも言い、両眼を動かして視線を合わせる輻輳機能のことで、眼球運動のスムーズさが、両眼単一視に影響してきます

近くの物にピントを合わせる調節を行うと、連動するように両眼は近くのものに視線を寄せますので、両眼明視と両眼単一視は、連動して同時に行おうとします。
そのため、屈折異常が輻輳機能にも影響を及ぼしますし、輻輳機能がうまくいかないと調節機能にも影響を及ぼします。


そして、良好な両眼視をするためには、下記のような正常な両眼視機能が必要になってきます。

 ① 両眼とも網膜中心窩で物体を注視し、(中心固視)
 ② 両眼同時に物体を重ねて見て、(同時視)
 ③ 両眼の網膜の像を脳で1つにまとめて見て、(融像)
 ④ その結果、立体感を感じ取ること。(立体視)

参考文献:「基礎両眼視」関真司著

このような両眼視の種々の機能を調べる検査が、両眼視機能検査 です。

両眼視機能検査に使用する十字テスト視標


まずは正確な屈折検査

我々は、常に両眼を使って見ていますが、先にも述べたように、両眼視の状態では、調節と輻輳は密接に関係しているため、両眼視も考慮した、屈折検査をするべきです。

片眼別々の屈折検査のみでは、各眼の調節量にバラツキがあったり、両眼で見ている日常自然視の状態とは異なることがあります。

両眼視の検査を実施し、輻輳力や斜位の量を考慮したうえで、両眼開放屈折検査という検査方法で屈折検査をします。

両眼開放屈折検査は、両眼を開けたまま片眼の屈折度数を測るテクニックですが、片眼を遮蔽した状態よりも、より日常自然視に近い状態で検査ができます。

片眼を遮蔽した状態では、両眼開放の場合に比べて、瞳孔の開き具合や調節の状態が変化しやすくなります。
その結果、遠視が弱めに検出されたり、乱視度や乱視軸が不正確になりがちです。


正確な屈折検査のための検査環境

また、近年では、検査施設の省スペース化を図るため、多くの眼鏡店では、1メートル位の距離で検査できる、スペースセービング型といわれるボックス型の視力標が多く使われるようになりました。

これは、光学的に5メートル先に視力標が見えるように設計されていますが、箱自体が1メートル程度の位置にあるために不要な調節を誘発することが考えられ、感覚的に5メートルよりも近く感じてしまうため、正確な検査には不安があります。

両眼視機能検査も、5メートル先を見ている眼位と1メートル先を見ている眼位には違いがありますので、より正確な遠見の眼位を測るためには、やはり5メートル以上での検査が望ましいと思われます。

そのような理由から、当店は広くない売り場面積ですが、5メートルの検査設備にこだわっています。
※ 当店の検査距離は5.17mで検査しております。

5mでの検査を実施するための液晶型視標

 

正確な検査のためのテストフレーム

瞳孔間距離(PD)は、人それぞれ様々に違いがあります。
成人女性では、56mmから64mm、男性では60mmから68mmの人が多く、狭いPDの人では54mm、広いPDの人では、70mm以上の人もけっこういらっしゃいます。

両眼視を考慮した正確な屈折検査をするためには、なるべく被検者のPDに適合したPDのテスト・フレームが望ましいですし、さらには、眼からレンズまでの距離や、レンズの傾斜角、高さなどが被検者に合わせられるテスト・フレームが選択できればより確実な検査ができます。

このような比較的フィッティングが自由にできるテスト・フレームを使用すると、検査段階から、仕上がった状態のメガネを想定した検査が行えます。

当店では、PD52mmから80mmに対応できるテスト・フレームを揃えています。 

レンズの傾斜角や高さを調整できるテスト・フレーム

ポラテスト用テスト・フレーム

PD52mmから80mmまで対応できる、テスト・フレームを揃えています。

また、当店でもフォロプターという手動式の検眼機を装備しております。
(このページの一番上の機械がそれです。TOPCON VT-SE)

フォロプターは両眼視機能検査の一部には必要不可欠な設備ですが、通常の屈折検査にはテスト・フレームを使用しています。

アメリカ式の検査の熟練者は、フォロプターを使いこなし様々な検査をすばやくおこないますが、フォロプターを覗いているために不要な調節が介入(機械近視ともいわれます)する恐れがあるため、最終的なテス・トフレームによる装用テストは欠かせないものになっています。

慣れの問題ということもありますが、熟練者以外のフォロプターのみの屈折検査は、少し無謀ですし、ましてや電動式のフォロプターとスペースセービング型視標の組み合わせは、屈折系にも眼位の検査にも不安定さが考えられ、正確な検査は難しいのではないかと考えられます。 (スリープライス店や安売りメガネ店はこれで、10分以内で終わらせます。 


ヴィジョン・トレーニング

正常な両眼視が生じるための必要条件の一つに 「興味のある視物を両眼視野に位置させるように眼球運動が働く」 という眼球運動という機能があります。

眼球は、眼筋といわれる6本の筋肉によって、上下左右さまざまな方向に動き、視物を捉えようとしますが、眼筋の麻痺などが原因で、その動きにスムーズさが欠け、左右の視線が揃いにくいなどの斜位や、両眼がチームワークよく動かず、良好な視覚を阻害するケースをみることがあります。

これは、6本の眼筋のアンバランスや、眼筋麻痺などが考えられますが、この外に屈折異常の未矯正や、過度の疲労なども原因になっています。

屈折異常の矯正、必要な斜位の矯正をしたうえで、ヴィジョン・トレーニングを実施することで、スムーズな両眼のチームワークを回復し、眼精疲労の軽減や、正常な両眼視機能の確立と、より良い視覚を養うことができます。

補足(「基礎両眼視」関真司著より)
   正常なな両眼視によって得られるメリットは
    ① 単眼での視野よりも約25%広い視野が可能。
    ② より正確な立体視および物体サイズの判定。
    ③ 片眼視力に比較して良い両眼視は、1割ないし2割の視力増強が見られる。

※ お願い

検査をご希望のかたは、ご予約をお願いいたします。

検査みの場合の検査料は \3,240 です。
(※ 処方箋の発行はいたしません。)

ネット通販でご購入の新品フレームへのレンズ入替はお断りしております。
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