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チタン(チタニウムtitanium)は、1791年に発見された、原子番号22の単体金属です。
1960年ころに航空機用ジェットエンジンの原材料として実用化され、重さがアルミニウムと同程度で極めて軽く、機械的耐久性に優れ、腐食しにくいという特徴をもっています。
アレルギーを起こしにくい金属で、近年では歯科・医療用材料としても幅広く使われていますが、加工が難しかったのと製造コストが高かったために実用化が遅れました。
チタン素材も大きく分けると4種類になります。
純チタン
純チタンといってもチタン100%ではなく、99%以上がチタンでその他窒素・水素・鉄などが含まれる金属で、比重4.5、αチタンとも呼ばれています。
純チタンは、不純物ガスの添加量の違いにより様々なグレードに分類されており、JIS規格のものだけでも数種類のグレードが存在します。その中で、JIS2種の規格のものが多くメガネフレームに使用されていますが、パーツのクリングス(鼻パットの足)部分は調整がしやすいようにJIS1種が使われています。
対比重抗張力=26.4と洋白の2倍以上の強度を持っていますが、硬度は、ステンレスとほぼ同じ硬度しかなく、そのため合金にしたり表面を窒化処理してキズがつきにくくしたものが主に用いられています。
βチタン
チタン合金の一種ですが、素材メーカーにより作り方が違い、βチタンといっても数種類あります。一例として、チタン74%、バナジウム22%,アルミ4%などの成分で出来ています。
従来のチタンに比べ、熱に対する強度とバネ性に優れ、主にテンプルに使用されています。
陽極酸化という表面処理により、鮮やかなカラーリングができます。
ハーフチタン(αβチタン)
アルミ3%、バナジウム2.5%、チタン94%という化学成分のチタンです。
純チタンと比較して、加熱による強度低下が少なくリム切れしにくいのが特徴で、主にリム線に利用されています。
NT合金
チタン50%、ニッケル50%で比重6.7
形状記憶効果と超弾性効果をあわせた性質を持っています。
若干の合金比率を変えることで、これらの性質を調整することが可能です。また、異種金属元素を加えることによって
形状記憶の温度設定を変えることができる素材です。
このほか、芯材にチタンを使い、ニッケルやニッケルクロムを張り合わせた「チタンクラッド材」などもあります。
チタン材は、世界で年間6万トン規模の需要があるといわれ、最も多く使用されているのは航空宇宙産業で、そのうち民間用が80%、軍需用が20%になっています。
アメリカ・ボーイング社の旅客機「B777ファミリー」では、1機あたり50トン以上のチタン材が機体に使用されています。
その他、時計、印鑑、カメラ、ゴルフクラブ、医療用具、医療機器など様々な分野でチタンの特性を生かした製品が使われています。
高度な技術、チタンの接合
チタン材を加工する上で最も困難なのが接合技術です。
製品化初期には、ロウ付け(パーツの接合)技術に従来の設備を利用しておりましたが、現在は少なくなっています。
ロウ付けのためのロウ材には銀ロウ材とチタンロウ材があります。チタンロウ材は、NASAの技術開発時に副産物としてできたといわれています。
チタン材は空気中でロウ付けすると、酸素と反応して酸化するため金属疲労しやすくなり、折れやすくなりますので、酸素をいれないためにアルゴンガスを使い、不活性雰囲気の方法で接合をしています。
したがって、小売店では接合を行うのは難しく、小売店ではチタンフレームのロウ付け修理は不可能ということになります。また、ロウ材を使わない接合方法にスポット溶接という方法があります。
これは一方に凸物を出しておき、一方を平面にしておいて、そこに瞬間的に電流を流し凸物を溶かして接合する方法ですが、おもに丁番とテンプル、箱足とリムなどの接合に用いられています。
これらの作業行程は熱の加え方などの技術面でメーカーごとにノウハウがあります。このように福井のフレームメーカーは世界に誇れる高度な技術を身に付けてきました。