VDT作業について

  パソコンの普及にともない、VDT(ビジュアル・ディスプレイ・ターミナルズ)症候群、テクノストレスが問題となっています。

 VDT作業により眼の疲労、首、肩の疲労、精神神経症状等を訴える人が増え、多くの問題点が指摘されています。
VDT作業の環境衛生がクローズアップされたのは1970年代半ばですが、現在はその環境も大きく変化しています。
日本ではIT化と高齢化が同時進行し、オフィスでのパソコン普及は1人1台となり、一般家庭でもパソコンの世帯普及率
は60%近いと言われています。


 パソコンの他、携帯電話、PDA、テレビゲームと、誰一人としてIT機器と無縁でいられない社会になっていますが、
ディスプレー作業を続けている人の60%以上の人が眼の疲れやイライラなどのテクノストレスに悩んでいると言われます。

最近の厚生労働省の発表によれば、VDT作業に従事する人の36%が精神的疲労を訴え、78%が身体的疲労を感じ
ているとの調査結果報告がありました。


 現在は、これらの症状(VDT症候群、OA症候群、テクノストレス)と、病的でない「眼の疲れ」、病的な疲れである「眼精疲労」
をも含み、さらにこれらに関連した「ドライアイ」も包括してIT眼症と呼ばれております。

 IT眼症の症状としては、目の疲れ、眼精疲労がまずあげられますが、これがさらに進めば眼痛、頭痛、首・肩・腕・手・腰の
疲れ・痛みなどの身体症状や、はなはだしい場合には精神神経症状を起こすこともあります。


IT眼症を回避するために

IT眼症は、単に眼だけの問題ではなく、その作業環境を含むさまざまな原因が考えられます。
作業時間の長さ
 その最大の原因として「働きすぎ」つまり労働時間の長さが指摘されています。
厚生労働省の新「VDT作業労働衛生管理のためのガイドライン」に示された作業時間管理については、「一連の作業時間が
1時間を超えないようにし、次の連続作業までの間に10〜15分の作業休止時間を設け、かつ、連続作業時間に1〜2回の
小休止を設けること」としています。

実際の職場では難しいと思われますが、なるべくムリをせず休息を取るのことが大切です。

不適切な屈折矯正

 不適切な屈折矯正による、近視の過矯正(または極端な低矯正)や、遠視の矯正不足、および調節力の低下(老眼)などによる
調節障害はやはり大きな原因になります。

作業距離を考慮した正しい屈折矯正は基本ですが、レンズの種類(遠近・中近・近近・単焦点などの違い)の選び方もポイントに
なってきます。


 老眼が出てきた場合、単焦点では不便が多いため、現在では中近両用や近近レンズを用途に合わせて使われている方が増えています。
その他、斜位が原因となっている場合や、レンズの中心の位置が不適切であれば眼の疲れや眼精疲労の原因になっていきます。
近年多いドライアイドライアイは眼の疲れに大きく関与してきます。
 ドライアイのある人ではVDT作業により症状が悪化しやすくなります。
また、VDT作業中にはまばたきの回数が減少し眼表面が乾きやすくなるため、VDT作業がドライアイの大きな原因の一つとなっています。
また、コンタクトレンズはハードでもソフトでもドライアイを起こしやすく注意が必要です。
 ドライアイ対策としては、防腐剤無添加の人工涙液の頻回点眼、眼瞼を温めてマイボーム腺分泌量を増やす、保湿機能のあるドライアイ
メガネの装用、その他にディスプレイを低くし視線を少し下げるようにすると瞼裂の幅が狭まり多少乾きにくくなることと、低湿度が良くないため
空調にも配慮が必要です。


作業環境と身体的、精神的疲労
 同じ姿勢での長時間のディスプレイ作業では、筋肉の収縮により血行が悪くなり、腰痛や肩痛の原因になるとともに、作業が連続的に
行われスピードも要求されることがあり、首、肩、腕、手首、指に局所的なだるさや痛みが生じ、眼の疲れと相まって深刻な症状に発展
することもあります。
そのほか精神的な疲労による不眠、無気力、虚脱感、全身疲労感、焦燥感などのテクノストレスがあります。
やはり、作業の合間の適度な運動や休息、リラックスできる作業環境は大切な要素になるようです。
 作業環境については、必要なところには光が十分に行き届き、見ようとするものに妨害光線が入ってこないことを採光条件とし、明るすぎず
暗すぎないようにブラインドやカーテンを活用する。またディスプレイと部屋の明るさのコントラストを考え、ディスプレイの照度は500ルクス以下
キーボードおよび書類での照度は300ルクス以上を作業面照度とするなどの対策も有効であり大切です。

その他、ディスプレイの性能や位置、机と椅子の高や性能など環境も大きな要素になってきます。


眼鏡店でできること


 眼鏡店でできることは、快適なVDT作業のための適正な屈折矯正と最適なレンズ選びのお手伝いでありますが快適なVDT作業を
するにはそれが大前提となります。

 適正な屈折矯正とは、作業距離にあった適切な度数ということになりますが、老眼の有無、近視、遠視、乱視の違いや両眼視機能
など千差万別であり、一口では説明できませんが、おおむね以下のことが基本になってきます。

老眼のない人(調節力が十分にある人)…遠用度数が適切な度数であること
    近視の人…過矯正でない度数(過矯正の場合、過度の調節が必要になるため)
   遠視の人…低矯正すぎない度数(低矯正すぎる場合は過度の調節が必要になります)
    
眼位異常(斜位・斜視)の矯正等、両眼視機能の正常化

 老眼のある人や調節力の弱い人は上記の条件に加え、実際の作業距離に合わせた加入度数を求めます。
しかし、調節力が弱くなればなるほど(加入度が強くなるほど)近方の明視距離の長さが短くなりますので単焦点レンズでは実際の
仕事や作業に不便がでてきます。

そこで中近両用レンズや近近レンズなど、仕事内容や必要な明視距離に合わせたレンズの必要性がでてきます。


最適なレンズ選び

「手もとの書類は良く見えるが、少し離れた位置(パソコンなど)が見えずらい」というように、加入度数が強くなってくると一つの度数
(単焦点レンズ)では対応できなくなります。

とくに近年のパソコン普及に伴いこの不便を訴える人が増えました、そこで登場したのが近用ワイドレンズとか近近レンズと呼ばれるレンズです。
近近レンズは近用単焦点レンズの上半分に累進的にマイナス度数を加入し、ひとつのレンズで「手もとから少し離れた位置も見える」を可能
にしました。


また、「もっと離れた位置のテレビも見たい」という場合には中近両用レンズで対応できます。
中近両用レンズは近用部・中間部とも比較的広く見えることから、パソコンでも不便なく使用している人がいます。
その他、遠近両用累進レンズでもVDT作業をこなしている人もいますが、中間部が狭いため見やすさ・快適さでは少々難があります。
レンズの選択には、単焦点・遠近両用・中近両用・近近、とあり、またそれぞれに様々な設計のレンズがあります。

VDT作業をより快適にするには、適正な屈折矯正とより最適なレンズ選びが大きなポイントになります。
私どもはメガネのプロとして快適なVDT作業へのお手伝いができれば幸いと思っております。

厚生労働省 新「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」の策定について
http://www.jil.go.jp/kisya/kijun/20020405_02_ki/20020405_02_ki.html



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