メガネフレームの素材には、耐久性、軽さ、加工性などの条件が必要です。
メガネのフレームは美的要素(ファッション性)を除けば、レンズを固定するためにあるわけですが、快適なメガネとして機能するためにはさまざまな条件をクリアしなければなりません。
1、レンズを正確にしっかり固定できること。
2、正しい位置に不快感がなく長時間装用できること。
3、軽く丈夫であること。
4、ファッション性があること。
さらに、上記の条件を満たすためには
A、丈夫さ、強さ、耐久性、耐食性がある。
B、柔軟性、弾力性がある。
C、軽さ。
D、加工性の良さ。
以上の条件を満たすフレーム素材が必要になってきます。
実際の使用において、メガネはかなり過酷な条件下にさらされます。
そのための丈夫さが必要ですし、上の条件をバランス良く満たさなくてはいけません。
硬い素材でも軟らかすぎる素材でもいけないわけです。
現在、日本で作られているメガネフレーム用の素材は、大方の条件をクリアしており、それぞれの素材の特長を生かした高品質のメガネフレームが作られています。
メタルフレーム
チタン
軽さと耐食性に優れた金属です。溶接や表面処理など加工が難しい素材でしたが、日本で最初にオールチタンフレームが作られて以来、チタンの持つ加工上の諸問題を次々と解決し、現在ではメタルフレームの大半をチタンが占めています。
最近はチタンフレームに使うチタン素材の種類も増え、βチタンやNT合金、ゴムメタルなど軽量さと弾力性を生かしたフレームが多くなっています。
ニッケルクロム合金
ニッケルクロム合金は、ニッケル82%~90%で残りがクロム、鉄、スズの配合でできています。
プラチナに似た銀色で、腐食に強くメッキをしても地金のままでも用いられます。
さびにくく機械的強度も非常に優れていますので、最もメガネフレームに向いている素材ともいわれていました。
比重4.5というチタンに対し、ニッケルクロムの比重は8.6と重く感じるため、現在、眼鏡の市場はチタンフレームが占めています。
ニッケルクロム合金の代表的なものに、サンプラチナ(SPM)という素材がありますが、SPMは昭和6年の商品化以来、メタルフレームの代表的な存在でした。
今でも根強い人気があり、SPMにこだわったフレームも多く商品化されています。
金
金は腐食に対し非常に強く、空気中や水中では永久に変色しません。
しかし純金では比重が19.3と重くメガネフレーム素材としては柔らかすぎるため、銅、銀、ニッケル、パラジウムなどと合金にして、18金や14金として使われます。
K18(18金)の18は、K24(純金)に対する金の割合を示し、18/24すなわち75%が金になります。
また、金色ではなく銀色をしたホワイトゴールド(WG)も金合金で、その配合比率により色が変わってきます。
その他、最近ではピンク色のピンクゴールドなども多く出ています。
プラスチックフレーム
セルロイド
弾力性があり衝撃にも強く、加工性や着色せいにも優れています。
欠点は紫外線で黄変し経年変化によりひび割れをおこしてきます。
また、燃焼性も高く180℃で発火してしまいますので、安全性の面からも近年は、生産量は少なくなりましたが、根強い人気があります。
アセテート
最近は「セル枠」といえばほとんどがアセテートになっています。
アセテートはセルロイドに良く似ていて、外見上は見分けがつきにくいほどですが、セルロイドよりやや軽く弾力性は劣りますが、燃えにくいのが特徴です。
オプチル
オプチルは比重が約1.1とたいへん軽いのが特徴です。
接着剤などに使われるエポキシ樹脂が原料で、ヒーターで温めるとグニャグニャになりますが、冷えてくるともと形に戻るという形状記憶の性質を持っています。
ヨーロッパでメガネフレーム用に開発された素材で、透明感と発色が美しく経年変化による色あせもありません。
セルロイドやアセテートに比べて衝撃に弱いのが欠点といえば欠点です。
鼈甲フレーム
鼈甲(べっ甲)は、ウミガメの一種であるタイマイの甲羅を使います。
透明度の高い黄色や、褐色と黒の美しい模様が天然素材ならではの色合いを表現しています。
甲羅を一枚一枚張り合わせて作られる職人の技から生れる色合いと艶は、他の素材では決して表現できません。
べっ甲の主成分はタンパク質であり、その肌触りと質感は、その軽さと相まって良質なフィット感を生みだします。
手入れしだいで一生使えますので、メガネフレームには最高級の素材です。
現在、ワシントン条約により国際取引が禁止されているため、材料不足と職人の人材不足が懸念されています。
optic RAINBOW オプティック レインボー
株式会社はら時継店
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